粒子線治療は、サイクロトロンやシンクロトロンという加速装置で光速に近いスピードまで加速された陽子や重粒子を、がん組織に照射する治療法です。がん病巣をピンポイントに狙い撃ちすることができるため、「切らずに治す」がんの最新治療として注目されています。
手術の必要がないため傷跡は残らないほか、痛みもありません。治療時間も1回当たり30分と短く、体への負担も少なく高齢者の方にも適していると言われています。
では、具体的にどのがん治療に適しているかというと、
従来のX線では治りにくいが、粒子線なら非常に高い確率で治るがんはほくろのがんとも言われる悪性黒色腫、体幹部骨・軟部組織肉腫、頭蓋底腫瘍、そして肝臓がんが該当します。そのひとつ下のレベルになるのが、X線でも治るが、粒子線の方がより高い確率で治すことができるというがんは、進行した頭頚部がん、前立腺がん、肺がん、子宮がん、膵臓がん、局所再発した直腸がんです。
一方、胃がん、大腸がん、食道がんなどは、正常なところも壁が薄いので、粒子線を当てれば、そこにできたがんは消えてしまっても、壁に穴が開いたりするので、これら3つのがんは現在のところ対象外となっています。
現在、粒子線治療できる病院・施設は、7箇所です。
①「南東北がん陽子線治療センター(福島県郡山市)
②「重粒子医科学センター病院(千葉県千葉市)
③「国立がんセンター東病院(千葉県柏市)
④「静岡県立がんセンター(静岡県駿東郡)
⑤「筑波大学陽子線医学利用研究センター(茨城県つくば市)
⑥「若狭湾エネルギー研究センター(福井県敦賀市)
⑦「兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県たつの市)
これらの施設のほか、群馬大学が稼働。また、愛知県大府市が名古屋先進量子医療研究所(アイナック)を設立し、福井、大阪、神奈川、鹿児島などでも建設計画があります。